乾癬について

皮膚にピリピリとした痛みがある、赤い発疹がある…。その症状、もしかしたら「帯状疱疹」かもしれません。

帯状疱疹ってどんな病気?

帯状疱疹は、ヘルペスウイルスの1つである水痘・帯状疱疹ウイルスによって起こる感染症で、「ヘルペス」の一種です。ヘルペスウイルスは比較的多くの人が感染しているウイルスです。ヘルペスウイルスはいくつかの種類があり、感染したウイルスによって異なった症状が現れます。帯状疱疹は、子供の頃に「水ぼうそう」にかかったことのある人に起こります。
帯状疱疹の症状としては、腫れや皮膚症状よりも痛みが先行するという特徴があります。
発疹が出る数日~1週間前から皮膚にピリピリとした痛みが起こることから始まります。その次に、痛みを感じた場所に発疹ができ、小さな水ぶくれとなって帯状に広がっていきます。身体の片側だけに起こるのが特徴で両側に出ることがほとんどないといわれています。特に背中や胸、額などの顔面に多くみられます。身体の1ヵ所のみに現れることが多いです。発熱を伴うこともあり、時間が経つと強い痛みを伴うこともあります。
症状が眼や耳に出た場合は、神経に障害が出る可能性もあるので、早急に眼科や耳鼻科を受診してください。
皮膚症状は、水ぶくれからかさぶたになっておさまります。かさぶたが治るまで、およそ2~3週間かかり、最初は鈍い痛み、次第に少しの刺激でも痛みを感じるなど強い痛みを伴います。皮膚症状の消失と共に痛みもなくなることがほとんどです。痛いからといって、冷やすとかえって強くなるので、できるだけ患部を温めるようにしてください。
帯状疱疹は、体力が衰えている人がなりやすいといわれています。ご高齢の方に多く、患者さんの70%は50歳以上の方です。また、20~30歳代にも多いといわれています。免疫記憶細胞は、約20数年で減少しますので、5歳までに水ぼうそうに感染している方(水ぼうそうの90%以上は5歳までに感染している)は、20~30歳代になると帯状疱疹のリスクが高くなってしまうのです。
厳しい暑さから涼しくなる9~10月頃は、季節の変わり目で体調を崩しやすいため、帯状疱疹の患者さんがとても多く受診されます。

帯状疱疹はうつる?

帯状疱疹がうつるということはありません。水ぼうそうの原因となるウイルスは、身体の神経細胞に隠れていて、何十年も潜伏していて身体の免疫力低下やストレスなどにより帯状疱疹を引き起こすといわれています。
しかし、帯状疱疹になった際にできる発疹にはウイルスがいますので、水ぼうそうにかかったことのない人には、水ぼうそうとしてうつってしまう可能性があります。ですから、帯状疱疹の皮膚症状が完治するまでは妊婦さんや子どもに近づかないように十分気をつけましょう。

帯状疱疹後神経痛

帯状疱疹の皮膚症状が回復しても、痛みだけが残り続ける場合があります。このことを「帯状疱疹後神経痛」といいます。若い人の場合は、ウイルスによって破壊された神経の回復は良好ですが、高齢者は神経の回復が困難であることから、神経痛は残りやすい傾向があるといわれています。

帯状疱疹の治療法は?

帯状疱疹ウイルスを抑えるために、抗ウイルス薬の内服で治療を行います。重症の場合は、入院して点滴での治療を行います。抗ウイルス薬は痛みの症状が消えても1週間飲みきる必要がありますので、医師の指示に従ってください。痛みがひどい時は、我慢せずに消炎鎮痛薬による治療を受けるようにしましょう。また、「帯状疱疹後神経痛」にならないためにも症状が現れたら早急に治療を受けることが大切です。

帯状疱疹は治る?

帯状疱疹の原因となるウイルスは、症状がおさまっても身体の神経細胞に潜んでいますから、完全にウイルスを除去することはできません。ただし、一度帯状疱疹にかかって完治した後は免疫力がつくので再発することはほとんどありません。帯状疱疹が完治した後は、再発を防ぐためにも、バランスのよい食事、適度な運動、質のよい睡眠を心がけて、免疫力低下を避ける生活を送ることが大切です。